特集 CAR(キメラ抗原受容体)-T細胞療法の実用化へ向けて
2.遺伝子改変T細胞療法におけるCAR-T細胞療法の位置づけ
藤原弘
1
Hiroshi Fujiwara
1
1愛媛大学医学部附属病院 第一内科 講師
pp.951-959
発行日 2017年6月30日
Published Date 2017/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201707031
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がんに対する細胞免疫療法に用いるがん抗原特異性を付与した遺伝子改変T細胞には,がん抗原エピトープとHLAとの複合体を認識するT細胞受容体(TCR)遺伝子を導入したTCR-T細胞と,がん細胞表面分子に対するモノクローナル抗体の抗原認識部位をその抗原認識に利用するキメラ型抗原受容体(CAR)遺伝子を導入したCAR-T細胞の2種類が,現在臨床的に利用可能である。本稿では,遺伝子改変T細胞療法におけるCAR-T細胞療法の位置づけを,TCR-T細胞との比較を行いながら考察する。