特集 CAR(キメラ抗原受容体)-T細胞療法の実用化へ向けて
3.B細胞性造血器腫瘍(白血病・悪性リンパ腫)に対するCD19特異的CAR-T療法の臨床開発
大嶺謙
1
,
皆方大佑
2
Ken Ohmine
1
,
Daisuke Minakata
2
1自治医科大学内科学講座 血液学部門 准教授/自治医科大学 免疫遺伝子細胞治療学(タカラバイオ)講座 准教授
2自治医科大学内科学講座 血液学部門
pp.961-968
発行日 2017年6月30日
Published Date 2017/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201707041
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CD19特異的CAR発現 T細胞(CAR-T)療法が顕著な治療成績を示したことで,遺伝子改変によりT細胞に腫瘍特異性と機能増強を付与して用いる養子免疫遺伝子療法の効果が実証され脚光を浴びている。しかし,他の標的分子に対するCAR療法では,CD19-CAR療法に迫る安全性と臨床的効果が得られていない。これまでのCD19-CAR療法の臨床試験で得られた知見を整理し,課題を克服することが養子免疫遺伝子療法の次なるブレイクスルーへと繋がる可能性がある。本稿では,米国におけるCD19-CAR-T療法の臨床開発の現状とその問題点について概説する。