特集 免疫制御によるがん治療
4.TCR/CAR遺伝子導入T細胞を用いた白血病・リンパ腫に対する養子免疫療法
藤原弘
1
,
谷本一史
2
Hiroshi Fujiwara
1
,
Kazushi Tanimoto
2
1愛媛大学 医学部附属病院 第一内科 講師
2愛媛大学 大学院医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学 助教
pp.1621-1629
発行日 2014年10月30日
Published Date 2014/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201411045
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悪性黒色腫の病変部位に浸潤したTリンパ球を体外で拡大培養し,抗がん剤・放射線治療とともに患者に戻す養子免疫療法の臨床的有効性が示されて以後,がんに対する養子免疫療法の開発が精力的に進んでいる。現在では治療用T細胞として,がん抗原特異的T細胞受容体(TCR)遺伝子あるいはモノクローナル抗体の抗原認識部位と,T細胞活性化分子を人工的に結合させたキメラ型受容体(CAR)遺伝子を導入した遺伝子改変T細胞も積極的に利用されている。本稿では,遺伝子改変T細胞を用いる白血病・リンパ腫に対する養子免疫療法の現状を概観する。