特集 小児造血器腫瘍の特色 ~分子的理解から治療開発まで~
5.若年性骨髄単球性白血病の分子的理解と臨床応用
村松秀城
1
Hideki Muramatsu
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 小児科学 助教
pp.1541-1549
発行日 2016年10月30日
Published Date 2016/10/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201611057
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若年性骨髄単球性白血病(Juvenile myelomonocytic leukemia:JMML)は,主に年少児に認められる稀な骨髄増殖性疾患である。現時点で唯一の治癒可能な治療法は同種造血細胞移植のみであるが,長期生存率は約50%前後にとどまっており,新たな治療法の開発が求められている。近年のゲノム解析研究の進展により,JMMLの分子学的発症機序の概要が明らかとなり,複数の予後に関連する分子学的バイオマーカーが同定されてきた。得られた知見を基盤として,脱メチル化薬・MEK阻害剤などを用いた,分子標的療法の開発が進められている。