特集 造血器腫瘍のゲノム解析
3.若年性骨髄単球性白血病(JMML)
村松秀城
1
Hideki Muramatsu
1
1名古屋大学大学院 医学系研究科 小児科学
pp.39-45
発行日 2013年12月30日
Published Date 2013/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201401039
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若年性骨髄単球性白血病(Juvenile Myelomonocytic Leukemia:JMML)は,年少児に発症する顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)への高感受性を特徴とする骨髄異形成症候群(MDS)/骨髄増殖性疾患(MPN)である。80%以上の症例で,RAS経路に関連する遺伝子群(NF1,NRAS,KRAS,PTPN11,CBL)の遺伝子変異が報告されているが,残り20%の症例では原因となる遺伝子変異が同定されておらず,次世代シークエンサーによる網羅的な遺伝子解析が待たれていた。全エクソーム解析およびターゲットディープシークエンス解析により,SETBP1とJAK3遺伝子変異がセカンドヒットとしてJMMLの腫瘍の進展に関与している可能性が明らかとなった。