特集 慢性骨髄性白血病の治療戦略2016
6.慢性骨髄性白血病の耐性・残存克服を目指した新規分子標的療法
南陽介
1
,
篠原悠
2
,
赤尾幸博
3
,
垣内誠司
4
Yosuke Minami
1
,
Haruka Shinohara
2
,
Yukihiro Akao
3
,
Seiji Kakiuchi
4
1神戸大学医学部附属病院 輸血・細胞治療部 講師
2岐阜大学大学院 連合創薬医療情報研究科 特別研究員(PD)
3岐阜大学大学院 連合創薬医療情報研究科 教授
4神戸大学大学院医学研究科 腫瘍・血液内科学 博士課程(D4)
pp.1125-1134
発行日 2016年7月30日
Published Date 2016/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201608071
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慢性骨髄性白血病(CML)において,従来のキナーゼ阻害剤に対する耐性・残存の観点から,白血病幹細胞(LSC)の存在が注目されている。幹細胞シグナルの阻害というコンセプトに基づき,ヘッジホッグ(Hh)シグナル阻害剤などの臨床試験が開始されており,LSC標的治療が白血病根治に貢献することが期待されている。また,がん細胞特異的な代謝経路を標的とした薬剤の可能性も示唆されつつある。耐性の克服治療として,ATP結合ドメイン非依存的にBCR-ABLキナーゼを抑制するアロステリック阻害剤も期待されている。