特集 慢性骨髄性白血病の治療戦略2016
7.慢性骨髄性白血病治療における抗腫瘍免疫
平瀬主税
1
Chikara Hirase
1
1近畿大学医学部 血液・膠原病内科 医学部講師
pp.1135-1144
発行日 2016年7月30日
Published Date 2016/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201608081
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慢性骨髄性白血病は他の悪性腫瘍と同様に,抗腫瘍免疫能に異常が生じた結果,ある種のがん免疫逃避機構を利用して進展すると考えられる。広範なキナーゼ阻害活性を有するダサチニブはいわゆるoff-targetである免疫系に作用し,抗腫瘍免疫能を増強させる。近年,免疫チェックポイント阻害薬をはじめとする生体の抗腫瘍免疫応答を利用した新規薬剤の開発が進み,薬剤による治癒という目標に向けて,TKIとの併用療法など新たな試みも計画されている。