特集 白血病幹細胞
6.白血病幹細胞に対する新たな分子標的療法と治療戦略
南陽介
1
,
直江知樹
2
Yosuke Minami
1
,
Tomoki Naoe
2
1神戸大学医学部附属病院 輸血部 講師
2独立行政法人国立病院機構 名古屋医療センター 院長
pp.1777-1785
発行日 2014年11月30日
Published Date 2014/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201412063
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急性骨髄性白血病や慢性骨髄性白血病において,従来の抗がん剤やキナーゼ阻害剤に対する耐性・残存の観点から,白血病幹細胞(LSC)の存在が再び注目されている。LSCを標的とした治療戦略においては,正常造血幹細胞といかに差別化を図るかが問題となるが,発現に着目してHCKやTIM-3などの分子に対する標的治療の開発が進められている。一方,幹細胞シグナルの阻害というコンセプトに基づき,ヘッジホッグシグナル阻害剤などの臨床試験が開始されており,有望な結果も出つつある。将来,LSC標的治療が白血病根治に貢献することが期待される。