特集 慢性骨髄性白血病の治療戦略2016
5.BCR-ABLの遺伝子変異とその克服
小田原淳
1
,
宮本敏浩
2
Jun Odawara
1
,
Toshihiro Miyamoto
2
1九州大学病院 血液腫瘍内科
2九州大学病院 血液腫瘍内科 講師
pp.1115-1123
発行日 2016年7月30日
Published Date 2016/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201608061
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チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の使用によって,CMLの治療成績は劇的に改善した。しかし約6%の症例で治療不応例が認められ,その大多数でABL1キナーゼドメインに点突然変異が検出される。変異BCR-ABLはATP binding pocketや融合蛋白質の構造変化を通じてTKI耐性を獲得するが,TKIの種類によってその感受性は異なる。今回,我々は変異解析の手法とそれぞれの遺伝子変異の意義,さらに変異に有効な新規薬剤について最新知見も交えて概説する。