特集 最近のゲノム解析技術の理解のために
1.全ゲノム・エキソーム解析の意義と方法
中川英刀
1
Hidewaki Nakagawa
1
1理化学研究所 統合生命医科学研究センター ゲノムシークエンス解析研究チーム チームリーダー
pp.1099-1106
発行日 2015年7月30日
Published Date 2015/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201508021
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近年の次世代シークエンサー技術(NSG)とバイオインフォマチックスの爆発的な進歩に伴い,がんの全エクソン,全ゲノムのシークエンス解析を容易に行うことが可能になり,血液腫瘍を含めた様々な腫瘍のゲノム変異データが蓄積されてきている。エクソンシークエンスにより,蛋白質のアミノ酸変化をもたらす変異を,全ゲノムシークエンス解析により,非コード領域や構造異常,コピー数異常といった,より網羅的なゲノム異常のプロファイルを作成することができる。これら同定された大量の変異データの生物学的解釈が次の課題である。