特集 最近のゲノム解析技術の理解のために
4.エピゲノム解析 ~メチローム解析の意義と方法~
山下聡
1
,
牛島俊和
2
Satoshi Yamashita
1
,
Toshikazu Ushijima
2
1国立がん研究センター研究所 エピゲノム解析分野 ユニット長
2国立がん研究センター研究所 エピゲノム解析分野 分野長
pp.1125-1133
発行日 2015年7月30日
Published Date 2015/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201508047
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DNAメチル化はエピジェネティクスの基本的な仕組みの1つであり,細胞の情報維持機構として非常に重要である。ゲノム全体のDNAメチル化解析(メチローム)技術は,バイサルファイト反応に基づくものと,抗体などを用いたメチル化DNAの回収に基づくものとに大別される。特にInfinium法は,多数のヒト検体を用いたメチローム解析に適する。解析結果の解釈においては,遺伝子に対する位置や発がんにおける意義を考慮することが大切である。膨大なメチローム情報から,臨床的に有用な情報を抽出する試みが始まっている。