連載 ゲノム医療の現状
がんゲノム医療におけるRNA解析の意義
渡邊 広祐
1
,
鹿毛 秀宣
2
,
織田 克利
3
1東京大学医学部附属病院ゲノム診療部 特任准教授
2東京大学医学部附属病院呼吸器内科 教授
3東京大学医学部附属病院ゲノム診療部 教授
pp.38-41
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.41.03_0038-0041
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2019年に包括的がんゲノムプロファイリング(comprehensive genomic profiling:CGP)検査が保険適用となり、日本のがんゲノム医療が始まった。2021年には血漿検体を用いたCGP検査が、2023年にはRNAパネルを搭載したGenMineTOPが承認された。GenMineTOPは455遺伝子の融合遺伝子、5遺伝子のエクソンスキッピングが検出可能であり、融合遺伝子やエクソンスキッピングの高感度での検出が保険診療として可能である。また、研究段階ではあるが、遺伝性腫瘍の遺伝学的検査においてもRNAを解析することで、病的バリアントの検出感度が高まり、バリアントの臨床的意義の判定にも有益なことが近年報告されている。本稿ではがんゲノム医療におけるRNA解析の有用性について解説する。
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