小特集 薬物動態に基づく定期補充療法 -出血のない世界をめざして-
1.関節内出血がもたらすインパクトの考察 ~関節外科医の立場から~
竹谷英之
1
Hideyuki Takedani
1
1東京大学医科学研究所 附属病院 関節外科 講師
pp.1005-1009
発行日 2015年6月30日
Published Date 2015/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201507089
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関節内出血が関節組織に与える影響を理解するために,まず関節軟骨や滑膜について概説した。そして出血の影響については,非血友病モデル動物での実験結果と,画像的に関節障害所見が見られる関節内出血回数に関する血友病患者の臨床報告を紹介した。 その結果,出血による関節障害は血友病に限らず発生するが,複数回関節内出血を起こすことで関節症になると考えられた。つまり,出血性関節障害が血友病でより重篤となる理由として,出血を繰り返すことが一番の問題と考えられる。