小特集 薬物動態に基づく定期補充療法 -出血のない世界をめざして-
序 ~個々人に過不足のない凝固因子製剤を投与するには~
松下正
1
Tadashi Matsushita
1
1名古屋大学医学部附属病院 輸血部 教授
pp.1001-1003
発行日 2015年6月30日
Published Date 2015/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201507085
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
血友病患者に対する定期補充療法は,重症患者を中等症~軽症の状態にして出血頻度を減らし,ひいては血友病性関節症の発症を防ぐ目的で行われている。また,関節症が既に存在する患者においても,出血頻度の減少や関節症進行の予防効果が指摘されている。 これらの効果は,重症血友病においても,出血回数を限りなくゼロに近づけることができる可能性を示していると考えられる。出血ゼロをめざすためには,薬物動態を根拠とした定期補充療法の個別化が必要となってくる。