小特集 薬物動態に基づく定期補充療法 -出血のない世界をめざして-
2.日常臨床における薬物動態測定の実際
藤井輝久
1
Teruhisa Fujii
1
1広島大学病院 輸血部 准教授
pp.1011-1017
発行日 2015年6月30日
Published Date 2015/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201507095
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血友病患者における出血抑制として,凝固因子製剤の定期補充療法は今や標準治療である。一方で,凝固因子製剤の生体内薬物動態(PK)の研究も盛んに行われるようになり,個々の患者で生体内回収率や半減期が違うことも明らかになった。PK測定はfull PKが望ましいが,臨床現場では患者や医療者の負担軽減のために,採血ポイントは3~4点程度に減らしている。得た結果を踏まえて,患者個々に合わせて定期補充療法を導入したり,現在行っている定期補充レジメンの再考に役立てることができている。