Japanese
English
TOPICS 放射線医学
2層検出器をもつスペクトラルCTが臨床にもたらすインパクト
Clinical impact of spectral CT with dual layer detector
船橋 伸禎
1
,
宿谷 篤
2
,
三角 和雄
3
Nobusada FUNABASHI
1
,
Atsushi SHUKUYA
2
,
Kazuo MISUMI
3
1国際医療福祉大学市川病院循環器内科
2千葉西総合病院放射線科
3同病院循環器内科
pp.529-532
発行日 2023年11月18日
Published Date 2023/11/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28707529
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2層検出器をもつスペクトラルCTとは
従来,CTではHounsfield Unit(HU)を単位とするCT値のみが唯一の情報であった.実効原子番号,電子密度画像とは,従来のCT画像とは異なるコントラストの画像であり(図1),dual-energy CT(=スペクトラルCT)の登場により,はじめて一般臨床に用いられるようになった1).なかでも2層検出器をもつ128列/256スライス スペクトラルCT 7500(Philips)は,検出器側でX線のエネルギーを分離することができる.そのシステムの長所は,2管球システム,Switchingシステムを採用する他社のスペクトラルCTと異なり,検出器にX線が入射すると,上層で低エネルギー成分,下層では高エネルギー成分のX線が吸収され,2つのエネルギーのデータを取得する時間,空間上の位置のずれがない.そのため他のシステムより明瞭に,実効原子番号,電子密度などの画像取得が容易に可能になった.これら番号の臨床的価値はいまだ定まっていないが,定量性が優れているため,新たなイメージングバイオマーカーになる可能性を秘めているとされる.本稿ではこのCTの循環器領域での有用性と可能性について述べる.
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