今月の主題 白血病—最新の知見と治療の進歩
病態と診断
白血病の幹細胞
溝口 秀昭
1
1東京女子医科大学・第1内科
pp.1532-1533
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219906
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幹細胞の特徴は,①分化能があることと,②自己複製能があるということである.正常の赤血球,顆粒球,マクロファージ,リンパ球,血小板については,一種類の多能性幹細胞由来であることが明らかにされている.また慢性骨髄性白血病(CML)においても,多能性幹細胞に腫瘍性の変化が起こり,それ由来の種々の血球が末梢血中を流れていることが明らかにされている.
最近,急性白血病において白血病芽球コロニー法が開発され,一見同じように見える白血病細胞にも,培養によって白血病芽球コロニーをつくる能力のある白血病性幹細胞(leukemic colony-forming cell,L-CFC)とそうでない細胞があることが明らかとなった.本項ではL-CFCの培養法,性質,臨床的応用について述べる.
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