特集 白血病幹細胞
2.ゲノム医学からみた造血器悪性疾患の階層性
牧島秀樹
1
Hideki Makishima
1
1Taussig Cancer Institute, Cleveland Clinic
pp.1747-1754
発行日 2014年11月30日
Published Date 2014/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201412033
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腫瘍幹細胞は,造血器悪性腫瘍における「階層性」のヒエラルキーのトップに位置する。近年,次世代シークエンサーにより,その存在が再確認された。次世代シークエンサーは,(いわゆる前世代の方法と比較して)ゲノム上の遺伝子変異あるいは染色体異常を網羅的に検索でき,また,同時に複数の異常を直接定量することも可能である。現在,最も詳細に解析されているのは,MDS幹細胞から派生する二次性白血病における「腫瘍内階層性」である。骨髄腫瘍における「階層性」は,病期進行や治療反応性における病態と深く関わると考えられている。