特集 白血病幹細胞
1.がん幹細胞の概念と実体
山内拓司
1
,
赤司浩一
2
Takuji Yamauchi
1
,
Koichi Akashi
2
1九州大学医学研究院 病態修復内科学
2九州大学医学研究院 病態修復内科学 教授
pp.1737-1745
発行日 2014年11月30日
Published Date 2014/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201412023
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腫瘍は生物学的に不均一な細胞集団により構成されていることが知られている。この多様性を説明するコンセプトとして,ごく一部の細胞集団のみが自己複製能(self-renewal)と限定された分化能を有し,腫瘍の頂点として腫瘍組織全体を供給するという階層性モデル(hierarchy model)が提唱されている。この細胞集団は,現在ではがん幹細胞(cancer stem cell)として広く認識されている。すなわち,がん幹細胞こそが腫瘍の根源であり,これを治療標的とすることで腫瘍を根絶することが可能となる。