特集 骨髄異形成症候群(MDS)の分類・病態・治療と予後の最前線
3.骨髄異形成症候群の分子病態 -ゲノムおよびエピゲノム異常-
牧島秀樹
1
Hideki Makishima
1
1京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学講座 准教授
pp.1709-1717
発行日 2018年11月30日
Published Date 2018/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018121709
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骨髄異形成症候群(MDS)は,形態異常を伴う血球減少を特徴とする,骨髄腫瘍のさまざまな独立した病型の集合であり,それぞれの病型では特徴的なゲノム異常が認められる。そのうち,ゲノム異常に引き続いてエピゲノム異常が起こるが,そのうち,DNAメチル化酵素やヒストン修飾酵素の変異やコピー数異常がMDSの病態に深く結びついている。最近はSWI/SNF複合体を構成するARID2変異が,その他のヒストン修飾分子の変異と関連していることが報告された。今後,ゲノム異常とエピゲノム異常を統合的に解析することにより,新たな知見が得られることが期待されている。