特集 Ph陰性骨髄増殖性腫瘍 ~分子病態と治療の最前線~
2.骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)における遺伝子変異
牧島秀樹
1
Hideki Makishima
1
1京都大学大学院 医学研究科 腫瘍生物学講座 講師
pp.947-955
発行日 2015年6月30日
Published Date 2015/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201507031
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最近の次世代シークエンサー技術の急激な進歩により,MDS/MPNにおいて胚細胞および体細胞由来の遺伝子変異が多数発見された。他の骨髄腫瘍と同様,病型特異的なゲートキーパー遺伝子変異,骨髄腫瘍に共通に認められる変異,さらにはパンキャンサーに認められる既知の変異のいずれもが検出されている。さらに,経時的な検討に基づき,病初期に獲得される変異,病期進行に伴う変異が分類されつつある。詳細な遺伝学的検討により,従来の組織学的診断の妥当性が確認されると同時に,臨床所見と遺伝子変異が驚くほど関連していることが示唆されている。