特集 造血器腫瘍のゲノム解析
2.骨髄異形成症候群(MDS)
吉田健一
1
Kenichi Yoshida
1
1京都大学大学院 医学研究科 腫瘍生物学
pp.29-38
発行日 2013年12月30日
Published Date 2013/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201401029
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骨髄異形成症候群の分子メカニズムは,近年のゲノム解析技術の進歩により急速に理解が進んでおり,コピー数異常や体細胞変異の標的となっている多くの遺伝子が同定されている。SF3B1,SRSF2,U2AF1,ZRSR2などのRNAスプライシング因子の遺伝子変異が最も高頻度にみられ,この他にTET2,IDH1/2,ASXL1,DNMT3Aなどのエピゲノムの制御因子などの異常が高頻度にみられることが明らかとなった。これらの遺伝子変異の情報を従来からの臨床情報と組み合わせることで,より正確な予後予測が可能になると考えられている。