特集 スギ・ヒノキ花粉症 最新の話題
Ⅲ.スギ・ヒノキ治療法のトピックス
4.花粉症治療米 ~経口減感作療法の新しい展開~
川内秀之
1
,
高岩文雄
2
,
高木英典
2
Hideyuki Kawauchi
1
,
Fumio Takaiwa
2
,
Hidenori Takagi
2
1島根大学医学部耳鼻咽喉科教授
2農林水産省生物資源研究所
pp.212-216
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201902212
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スギ花粉の主要アレルゲンであるCry j1やCry j2のT細胞エピトープを遺伝子導入したスギ花粉症緩和米を用いた研究は,2005年の農林水産省生物資源研究所を中心としたマウススギ花粉症モデルでの経口投与による鼻症状の抑制実験の成功と,同年に内閣府に設置されたスギ花粉症緊急対策会議の場で早期の臨床応用への展望が示されたことにより,機能性食品や医薬としての研究が推進された。さらにT細胞エピトープではなく,Cry j1およびCry j2全領域を含む花粉症治療米が開発され,マウスモデルでの基礎研究がなされ,その有用性が示唆されている。ヒトでの臨床応用の最終段階は,医療用薬品としての腸溶カプセルという形で臨床試験に供される段階に来ている。