特集 季節性アレルギー性鼻炎と周辺疾患
Ⅷ.スギ花粉症治療米の展望
川内秀之
1
Hideyuki Kawauchi
1
1島根大学医学部耳鼻咽喉科教授
pp.70-76
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201601070
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スギ花粉の主要アレルゲンであるCryj1やCryj2のT細胞エピトープを遺伝子導入したスギ花粉症緩和米を用いた研究は,2005年の農水省農業生物資源研究所を中心としたマウススギ花粉症モデルでの経口投与による鼻症状の抑制実験の成功と,同年の内閣府に設置されたスギ花粉症緊急対策会議の場で早期の臨床応用への展望が示され,機能性食品として本格的なプロジェクトが組織された。10年にわたり種々の基礎研究や臨床研究がなされ,ヒトでの臨床応用の最終段階は医療用薬品としての腸溶カプセルという形で,臨床試験に供される段階に来ている。