特集 花粉症研究の進歩
Ⅲ.スギ花粉米
高岩文雄
1
,
高木英典
2
,
若佐雄也
3
,
小沢憲二郎
4
Fumio Takaiwa
1
,
Hidenori Takagi
2
,
Yuhya Wakasa
3
,
Kenjiro Ozawa
4
1農業・食品産業技術総合研究機構・生物機能利用研究部門新産業開拓研究領域・有用物質生産作物開発ユニット元ユニット長
2農業・食品産業技術総合研究機構・生物機能利用研究部門新産業開拓研究領域・有用物質生産作物開発ユニット上級研究員
3農業・食品産業技術総合研究機構・生物機能利用研究部門新産業開拓研究領域・有用物質生産作物開発ユニット主任研究員
4農業・食品産業技術総合研究機構・生物機能利用研究部門新産業開拓研究領域・有用物質生産作物開発ユニットユニット長
pp.302-307
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201703026
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米中にIgE結合性を低減させた安全な抗原を発現させ,米や粗抽出(タンパク質顆粒)の剤形で摂取する場合,消化酵素による分解に対する耐性が付与され経口投与が可能になる。また従来の注射や舌下からの免疫療法に比較して極めて大量の抗原を摂取でき,簡便かつ短期間に免疫寛容を誘導できる。スギ花粉抗原由来のT細胞エピトープを蓄積させたスギ花粉米をスギ花粉症患者に経口摂取させたところ,初年度の投与から症状の緩和傾向が観察された。