増加するアレルギー疾患 内科医にとっての最良のアプローチとは
薬剤過敏症への理解と対応 NSAIDs不耐症の機序と対応
榊原 博樹
1
1藤田保健衛生大学 医学部呼吸器内科学
キーワード:
Aspirin
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
過敏症-薬物
,
アスピリン喘息
,
Cyclooxygenase 1
Keyword:
Aspirin
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Drug Hypersensitivity
,
Cyclooxygenase 1
,
Asthma, Aspirin-Induced
pp.599-602
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010137777
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非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)過敏症には五つの病型が存在するが、NSAIDsの薬理作用であるアラキドン酸シクロオキシゲナーゼ-I(COX-1)阻害が引き金になり、発症するアスピリン喘息がもっとも多い。COX-1阻害→プロスタグランジンE2の減少→システイニル・ロイコトリエンの増加によって鼻炎・喘息症状が誘発されるものと考えられるが、なぜ特定の患者にのみ発生するのかは明らかでない。アスピリン喘息は成人喘息の約10%を占めるが、その40%は診断されずに潜在している。鼻・副鼻腔疾患の合併が多いなどの特徴的な臨床像をもち、喘息の一つのタイプと考えるべきである。アスピリン喘息は、NSAIDsによる突発的な重症発作や死亡リスクを負った存在であり、日常臨床で慎重な対応が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010