特集 薬物アレルギーをめぐって
Ⅲ.重症薬疹
末木博彦
1
Hirohiko Sueki
1
1昭和大学医学部皮膚科学講座教授
pp.620-627
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201805620
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わが国では厚生労働科学研究班を中心にこの15年間で,重症薬疹の疫学,病態研究,ファーマコゲノミクス研究が進み,2016年にSJS/TEN(Stevens-Johnson syndrome/中毒性表皮壊死〔融解〕症)診療ガイドラインが作成された。免疫グロブリン大量静注療法,血漿交換療法も保険適用され,治療指針が改訂された。しかし,SJS/TENにおける表皮細胞死の制御,DIHS(薬剤性過敏症症候群)の経過中に続発するウイルス感染症や自己免疫疾患の制御など,生命予後や後遺症に関わる重要な課題が未解決である。今後,病態の本質に迫る新規治療法の開発,ファーマコゲノミクスによる予防法の進展が望まれる。