特集 アレルギーと脂質メディエーター アップデート
Ⅴ.PLA2とアレルギー
武富芳隆
1
,
村上 誠
2
Yoshitaka Taketomi
1
,
Makoto Murakami
2
1東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター健康環境医工学部門
2東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター健康環境医工学部門教授/国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)-CREST
pp.340-349
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201803340
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アレルギー担当細胞の一種であるマスト細胞は,脂質メディエーターの産生細胞であると同時に,組織微小環境と相互作用して周縁局所環境の脂質メディエーター産生を調節する。これらの脂質メディエーターは,アレルギー性炎症の調節に関わるのみならず,マスト細胞の成熟や抗原依存的な応答性の適正化にも関わることが明らかとなってきた。本稿では,脂質メディエーター産生の初発律速酵素であるホスホリパーゼA2とアレルギーに関する筆者らの最近の知見を中心に,脂質メディエーターの産生調節と機能について紹介する。