特集 シナプスをめぐるシグナリング
5.ホスホリパーゼ
PLA2-cPLA2αの機能を中心に-
魚住 尚紀
1
Naonori Uozumi
1
1慶應義塾大学 医学部 医化学教室
pp.436-437
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101038
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ホスホリパーゼA2(PLA2)はグリセロリン脂質sn-2位を加水分解し,遊離脂肪酸とリゾリン脂質を産生する酵素の総称である。哺乳類では20遺伝子座以上のPLA2分子が確認されており,一次構造や酵素学的な特徴から,いくつかのサブファミリーに分類されている。主なものとして,sPLA2:細胞外分泌型PLA2(ヒトで10遺伝子座),cPLA2:細胞質型PLA2(ヒトで6遺伝子座,細胞内で機能,カルシウム依存的に脂質との会合を媒介するC2ドメインと酵素活性を担うリパーゼドメインの基本骨格で構成),iPLA2:カルシウム非依存的PLA2(ヒトで2遺伝子座,細胞内で機能,酵素活性にカルシウムイオンを要求しない),血小板活性化因子(PAF)や酸化リン脂質に基質特異性を持つPAFアセチルハイドロラーゼの一群が挙げられる。
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