食物アレルギー~最近の話題・ガイドラインをふまえて~
Ⅲ.食物アレルゲンの構造と機能の関係 最近の知見
伊藤浩明
Komei Ito
pp.26-33
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201801026
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
食物アレルゲンの中で,特異的IgE(immunoglobulin E)抗体が結合する部位をエピトープという。オボアルブミンは加熱によってエピトープ構造が変化するが,それには分子間S-S結合などによる重合や,鶏卵の鮮度による構造変化も複雑に関与する。牛乳アレルゲンは,人乳と牛乳のアミノ酸配列相同性を考えると理解しやすい。小麦グルテンは同一エピトープの反復が多く,脱アミド化によりアレルゲン活性が増強する。このように,アレルゲンをエピトープレベルで理解することは,食物アレルギーを免疫学的に検討するための基礎となる。