特集 抗原学 最近の進歩
Ⅲ.食物抗原:最近の進歩 1.小麦アレルゲン
松尾裕彰
1
Hiroaki Matsuo
1
1広島大学病院薬剤部 教授
pp.66-73
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201701066
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小麦アレルギーは小麦製品摂取後に蕁麻疹などのアレルギー症状が誘発される即時型アレルギーを指すことが多いが,小麦依存性運動誘発アナフィラキシー,パン職人喘息,小麦接触蕁麻疹・皮膚炎,イネ科花粉症などの病型も含む。各病型について原因アレルゲン解析が飛躍的に進み,近似したアミノ酸配列を有するイソアレルゲンを含めると100種類以上の小麦アレルゲンが同定されている。近年,小麦アレルゲンコンポーネントを応用した精度の高い小麦アレルギーの血清学的診断法の開発が試みられている。