特集 アレルギー疾患における特異抗体の意義
III.アレルゲン特異抗体の新しい意義 1.アレルゲンコンポーネント特異的IgE抗体
伊藤浩明
1
Komei Ito
1
1あいち小児保健医療総合センター 内科部長(アレルギー科)
pp.74-83
発行日 2012年12月15日
Published Date 2012/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201301074
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食物や環境アレルゲンは一般に多くのタンパク質から構成され,特異的IgE抗体が結合するそれぞれのタンパク質をアレルゲンコンポーネントという。主要なコンポーネントの性質はそのアレルゲン全体の特徴を決定づけるが,1つのアレルゲンでも,複数のコンポーネントが異なる病態に関与する場合がある。コンポーネント特異的IgE抗体検査は,診断のための簡便なツールとなるだけでなく,アレルギーの病型分類を含めた,より精密な病態の把握を可能とする。コンポーネントを駆使した新たな診断技術は,Component-resolved diagnostics(CRD)と言われる。