特集 食物アレルギー~研究の最前線~
III.食物アレルギー診断法の進歩:アレルゲンコンポーネントの可能性
伊藤浩明
1
Komei Ito
1
1あいち小児保健医療総合センター内科部長(アレルギー科)
pp.924-931
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201406038
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食物アレルギー診断のゴールドスタンダードである食物経口負荷試験は患者へのリスクと負担が伴い,それを回避しても確定診断に至るための臨床検査が求められている。アレルゲンコンポーネント特異的なIgE抗体検査は,その1つの手段として進歩しており,鶏卵ではオボムコイド,小麦ではω-5グリアジン,ピーナッツではAra h 2が臨床現場で利用されている。さらに,同じ食物においても,異なる病型には別のコンポーネントが関与する場合もあり,より精密な食物アレルギーの診断も可能となってきた。