特集 抗原学 最近の進歩
Ⅱ.吸入性抗原:最近の進歩 3.真菌アレルゲン
鎌田洋一
1
Yoichi Kamata
1
1岩手大学農学部共同獣医学科獣医公衆衛生学研究室教授
pp.48-56
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201701048
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真菌アレルゲンは約200種あると報告されている。真菌のアレルゲン性は弱い。真菌は多様性が大きく,培養液から抽出し作製するアレルゲンソースのロット間の差異が著しい。Aspergillus fumigatusおよびAlternaria alternataの産生するアレルゲンを紹介した。従来からのアレルゲン同定法でなく,ゲノム情報とバイオインフォマティクス手法を用い,できる限り実験操作の少ないカビアレルゲン同定法を開発したので紹介した。組換え真菌アレルゲンの調製は真菌アレルゲンの診断・治療・研究に役に立つ。カビアレルゲンの交差性について医学的な側面と,同アレルゲンの機能性について医学的生物学的に考察した。