特集 抗原学 最近の進歩
Ⅱ.吸入性抗原:最近の進歩 4.アレルゲン構成糖鎖
岡野光博
1
Mitsuhiro Okano
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学准教授
pp.58-65
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201701058
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アレルゲンは糖タンパクである場合が多い。吸入性抗原の場合,アレルゲン構成糖鎖の特徴的な構造としてβ1-2結合キシロースとα1-3結合フコースが骨格オリゴ糖内のマンノースおよびN-アセチルグルコサミンにそれぞれ結合する構造(M3FXあるいはMMXF)を共通ユニットとして持つ場合が多い。糖鎖のアレルゲン活性,すなわちin vivo反応性や臨床徴候への関与を規定する要因として,多価性やフコースの存在が挙げられる。アレルゲン構成糖鎖のなかにはT細胞エピトープとなるうるものや,宿主レクチンとの結合などを介してT細胞応答を制御するものがある。