特集 抗原学 最近の進歩
Ⅱ.吸入性抗原:最近の進歩 1.ダニアレルゲン
河本正次
1
,
藤村孝志
2
,
秋庸裕
3
,
小埜和久
4
Seiji Kawamoto
1
,
Takashi Fujimura
2
,
Tsunehiro Aki
3
,
Kazuhisa Ono
4
1広島大学大学院先端物質科学研究科分子生命機能科学専攻教授
2広島大学大学院先端物質科学研究科分子生命機能科学専攻特任助教
3広島大学大学院先端物質科学研究科分子生命機能科学専攻名誉教授
4広島工業大学生命学部食品生命科学科教授
pp.28-33
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201701028
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ダニアレルゲンはアレルギー性喘息の引き金となる主な環境因子であり,その分子種構成と病原生理学的性状を明らかにすることは,本疾患の根治療法実現を目指す上で極めて重要である。また最近ではダニ抗原がIgE非依存的にアレルギー炎症を惹起しうる可能性が提唱されるなど,その病態制御機構についてもrevisitすべき時が訪れている。本稿では,ダニアレルゲン研究の動向につき,抗原分子種の全容解明と診断・治療への応用に向けた現状,およびダニアレルギーの新たな発症機構に関する最近の話題を提供したい。