特集 免疫療法の現状と将来
Ⅶ.食物アレルギーに対する免疫療法(経口免疫療法を中心に)
海老澤元宏
2
,
柳田紀之
1
,
佐藤さくら
1
Motohiro Ebisawa
2
,
Noriyuki Yanagida
1
,
Sakura Sato
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
2国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部部長
pp.1112-1118
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201608070
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自然に耐性化が期待しない食物アレルギー患者に対する免疫療法として食物を用いた経口免疫療法が日本では多くの施設において研究的な治療として取り組まれている。しかし,副作用として摂取時の症状出現の問題,運動や体調不良による症状誘発など真の耐性化に必ずしも到達できていない実態が明らかになってきた。副作用発現を抑えることを目的に経口免疫療法に抗IgE抗体を併用した試み,舌下免疫療法,少量目標量の経口免疫療法,そして経皮免疫療法などの研究,臨床試験が進んでいる。それらの先には感作があっても発症させない2次予防などの方向性が見えてくる。