特集 皮膚アレルギーの研究 アップデート~経皮感作とアレルギー~
VIII.食物アレルギーの経皮免疫療法
山口公一
1
Koichi Yamaguchi
1
1同愛記念病院小児科部長
pp.892-897
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201306078
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食物アレルギーにおいて皮膚は局所反応やアナフィラキシーなどの全身症状を誘発する場としてだけでなく,抗原感作の場としても近年注目されており,食物アレルギー発症予防としてのスキンケアの重要性が指摘されている。一方,皮膚の免疫システムを利用した経皮免疫療法(EPIT)はアレルギー疾患においてはまだ一般的な治療法ではないが,従来の皮下注射法(SCIT)や舌下法(SLIT)あるいは経口免疫療法(OIT)などに比べて全身性の症状誘発のリスクは低いので,比較的安全で簡便な方法として期待されている。