特集 アレルゲン免疫療法~臨床の最前線~
VIII.食物アレルギーにおける経口免疫療法の意義と効果
栗原和幸
1
Kazuyuki Kurihara
1
1神奈川県立こども医療センターアレルギー科部長
pp.1102-1109
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201407074
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食物アレルギーに対して,従来,患者に指導できることは除去食と誤食時の対応の2点に限られていた。近年,アレルゲンとなる食品を計画的に経口摂取する経口免疫療法が注目を浴びている。この治療によって得られる短期的,長期的な効果や副反応などについてはまだ情報が不十分で,実施方法についても手探りの状態にあるが,新規の治療法として確立されることが期待される。経口免疫寛容と経皮感作の概念を理解することで,食物アレルギーに対する一般的な対応法や予防法が根本から大きく変わる可能性がある。