特集 食物アレルギー~研究の最前線~
V.食物アレルギーの治療 1.経口免疫療法の到達点とこれからの展望
佐藤さくら
1
,
柳田紀之
2
,
小倉聖剛
3
,
海老澤元宏
4
Sakura Sato
1
,
Noriyuki Yanagida
2
,
Kiyotake Ogura
3
,
Motohiro Ebisawa
4
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター病態総合研究部室長
2国立病院機構相模原病院小児科医長
3国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
4国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部 部長
pp.942-949
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201406056
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経口免疫療法(oral immunotherapy:OIT)は食物アレルギー症例に脱感作状態を誘導できるが,多くの症例で誘発症状を経験し,稀にアドレナリン自己注射薬を必要とすることもある。耐性化の判断は難しく,治療の中止などで反応閾値が低下するため長期にわたる管理が必要である。患者の重症度や抗原で治療反応性は異なり,重症な牛乳アレルギーでは治療に難渋することから,舌下免疫療法,経皮免疫療法,抗IgEモノクローナル抗体を用いた治療,患者の重症度に応じたOITの層別化が試みられており,今後の治療成果が期待される。