特集 アレルギー疾患の将来展望 ~発症率の推移から望ましい治療薬の今後など~
Ⅱ.新規薬剤の登場とその位置づけ
4.食物アレルギー
佐藤さくら
1
,
海老澤元宏
2
Sakura Satou
1
,
Motohiro Ebisawa
2
1国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部室長
2国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部副臨床研究センター長
pp.1302-1310
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018101302
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食物アレルギーの治療は,基本的に薬物療法ではなく,原因食物を除去し,自然に耐性化するのを待つことである。最近,食物アレルギーを積極的に治療する免疫療法が注目されている。中でも経口免疫療法は摂取可能量を増やし,一定の治療効果があることが明らかになってきた。しかし,予期せずアナフィラキシーを来すなど安全性の問題が指摘されている。安全性の向上のために,維持量を少なくした少量導入法や抗IgE(immunoglobulin E)抗体併用,プロバイオティクス併用,低アレルゲン化した抗原の使用など様々な試みがされている。