特集 アトピー性皮膚炎の病態に基づいた新たなアプローチ
Ⅺ.皮膚バリア異常とスキンケア介入
森田久美子
1
,
大矢幸弘
2
Kumiko Morita
1
,
Yukihiro Ohya
2
1慶應義塾大学医学部小児科助教
2国立成育医療研究センター病院生体防御系内科部アレルギー科医長
pp.250-259
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201602088
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アトピー性皮膚炎の予防は長年の課題であり食事制限を始めとする様々な試みが行われてきたが,有効な方法は未だ確立されていなかった。2000年代に入り病態解明が進み皮膚バリアの機能異常が発症・増悪の重要な因子である可能性が考えられるようになり,皮膚バリアからアトピー性皮膚炎にアプローチできないかと考えられるようになった。2014年保湿剤塗布により皮膚バリアを補強することでアトピー性皮膚炎の発症を予防できることを示すランダム化比較試験が発表され,皮膚バリア障害への介入が有効であることが証明された。