特集 小児アレルギー疾患の新知見
Ⅱ.スキンケアによるアレルギー疾患の発症予防の可能性
森田久美子
1
,
大矢幸弘
2
Kumiko Morita
1
,
Yukihiro Ohya
2
1慶應義塾大学医学部小児科助教/国立成育医療研究センター病院生体防御系内科部アレルギー科
2国立成育医療研究センター病院生体防御系内科部アレルギー科医長
pp.502-510
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201604028
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数々のコホート研究からアトピー性皮膚炎が食物アレルギーや気管支喘息,アレルギー性鼻炎に先行し,発症リスクになる可能性が考えられている。そこでアトピー性皮膚炎を予防することでアレルギーマーチの進行を阻止できないかと考えられるようになった。アトピー性皮膚炎が新生児期からの保湿剤塗布で30%程度予防できることはランダム化比較試験で明らかになった。しかし,食物アレルギーをはじめとする他のアレルギー疾患の発症が予防できるかは長期的に経過を観察する必要がありまだ分かっていない。今後さらなる研究が求められる。