特集 アトピー性皮膚炎の病態に基づいた新たなアプローチ
XII.IL-33とステロイド抵抗性
加畑宏樹
1
,
茂呂和世
2
,
別役智子
3
Hiroki Kabata
1
,
Kazuyo Moro
2
,
Tomoko Betsuyaku
3
1慶應義塾大学医学部内科学教室(呼吸器内科)/独立行政法人理化学研究所統合生命医科学研究センター自然免疫システム研究チーム/川崎市立川崎病院内科・総合診療科
2独立行政法人理化学研究所統合生命医科学研究センター自然免疫システム研究チーム チームリーダー
3慶應義塾大学医学部内科学教室(呼吸器内科)教授
pp.260-267
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201602098
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上皮細胞由来サイトカインの一種であるIL-33は,近年新しく同定されたグループ2自然リンパ球(ILC2)を活性化し,好酸球性炎症を誘導する働きがある。そのため,IL-33は様々なアレルギー疾患や好酸球性疾患に関与していると考えられている。気管支喘息の領域では,IL-33やILC2が病態の重症化やステロイド抵抗性に関与していることが報告され,その機序や治療法の探索が精力的に行われている。アトピー性皮膚炎においても,IL-33やILC2が病態に関与していることが報告されており,重症化やステロイド抵抗性にも関与している可能性がある。