特集 季節性アレルギー性鼻炎と周辺疾患
Ⅺ.下気道症状へのアプローチ
川端隆史
1
,
東元一晃
2
,
井上博雅
3
Takashi Kawabata
1
,
Ikkou Higashimoto
2
,
Hiromasa Inoue
3
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学
2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学講師
3鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学教授
pp.92-101
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201601092
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One airway one diseaseの概念が提唱され,上気道と下気道の病態の関連が注目されている。季節性アレルギー性鼻炎に関連する下気道疾患として,喘息,咳喘息,アトピー咳嗽,後鼻漏関連疾患,好酸球性肺疾患などがあげられる。多くの場合,双方に影響をしあいながら病状を進行,重症化させる傾向にあるため,それぞれの診断を的確に行い,同時に両方の治療を念頭に行う必要がある。ステロイドや気管支拡張薬,ヒスタミンH1受容体拮抗薬,ロイコトリエン受容体拮抗薬などが主な治療薬として使用されるが,重症で難治性の場合,将来は抗サイトカイン療法などの臨床応用も期待される。