特集 季節性アレルギー性鼻炎と周辺疾患
Ⅹ.皮膚症状へのアプローチ
佐伯秀久
1
Hidehisa Saeki
1
1日本医科大学大学院医学研究科皮膚粘膜病態学教授
pp.86-90
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201601086
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季節性アレルギー性鼻炎に伴う代表的な皮膚疾患がスギ花粉皮膚炎であり,臨床的にアトピー性皮膚炎に伴うものと伴わないものに分類される。後者の方が頻度は少ないが,スギ花粉皮膚炎に特異的な臨床像を呈する。すなわち,丘疹,水疱を混じた多彩な湿疹局面は通常形成されず,蕁麻疹様の浮腫性紅斑が初発疹となる。検査としては,スギスクラッチパッチテストが最も診断に有用である。治療としては,花粉症と接触皮膚炎に対する治療を組み合わせる必要があり,抗ヒスタミン薬内服とステロイド外用が基本となる。