特集 気管支喘息・COPDにおける肺機能~呼吸生理と病態生理~
II.小児科 3.小児気管支喘息における気道過敏性の特殊性 -思春期における気道過敏性の推移の特徴を中心に-
松野正知
1
Masatomo Matsuno
1
1新潟県立吉田病院小児科
pp.1375-1382
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201409057
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小児期の気道過敏性は,喘息の病状を反映して無発作期間の延長と共に改善し,また,思春期には寛解例の増加と共に気道過敏性も経年的に改善していた。16~17歳までに寛解した症例では,非寛解例に比して10~17歳のいずれの年代においても,気道過敏性は有意に改善しており,この年代での病態や短期予後を推測する上で有用な指標と考えられた。男女別では,16~17歳で病状に差がないにも関わらず,女子で有意の気道過敏性亢進が認められ,女性ホルモンや肥満が気道過敏性亢進に何らかの影響を及ぼす可能性が示唆された。