講座 図解病態のしくみ びまん性肺疾患・6
気管支喘息と気道過敏性
榎本 哲
1
,
堀江 孝至
1
Satoshi Enomoto
1
,
Takashi Horie
1
1日本大学医学部・第1内科
pp.1135-1141
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219103
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気管支喘息は,"反復する喘鳴を伴う呼吸困難発作"を特徴としている.このような症状は気管・気管支が様々の刺激に対して非常に反応しやすく,広汎な気道狭窄を招くために出現する.おこった気道狭窄は,治療によって,あるいは自然にその程度が変化することが特徴的で,前回解説した慢性気管支炎や肺気腫とは異なる点である.
気管支喘息はその発症原因により,基本的には外因性喘息と内因性喘息にわけられている.しかし,発症原因がどうであれ,結果として気管支平滑筋収縮,分泌の亢進,毛細血管の拡張および粘膜の腫脹がおこり,気道が狭窄されることは同じである(図1).特に大切なのは,気道平滑筋の易収縮性で,これを気道の過敏性と呼んでいる.今回はこの気道過敏性をとりあげ,その発症機序,および臨床的な評価法について解説する.
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