特集 気管支喘息・COPDにおける肺機能~呼吸生理と病態生理~
II.小児科 2.乳幼児における呼気一酸化窒素濃度と気道炎症
藤澤隆夫
1
Takao Fujisawa
1
1国立病院機構三重病院アレルギーセンター 副院長
pp.1365-1372
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201409047
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乳幼児では,気道炎症の存在を証明することは容易ではない。数少ない気管支肺胞洗浄,気管支粘膜生検の報告からは,確かに乳幼児でも炎症は存在するが,ごく初期には異なる病態がある可能性が示唆されている。しかし,2,3歳を越えると,学童期以上と同様の好酸球性炎症が主になると想定され,いくつかの出生コホート研究のデータもこれを支持している。そこで,この年齢でも呼気一酸化窒素濃度を測定することは炎症の評価に有用となるが,現存の機器で測定するには3歳程度が下限であり,新たな検査法の開発が望まれる。