特集 食物アレルギー~研究の最前線~
II.食物アレルギーの発症のメカニズム 3.経気道感作
森雄司
1
,
近藤康人
2
Yuji Mori
1
,
Yasuto Kondo
2
1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院アレルギーセンター小児科
2藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院アレルギーセンター小児科 教授
pp.916-923
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201406030
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花粉に経気道感作された後,果物・野菜を経口摂取した際に中咽頭領域に限局した即時型アレルギー(口腔アレルギー症候群)を起こすことがある。花粉と果物・野菜には共通のアレルゲンが存在しIgEが交差反応を起こす。経気道感作による食物アレルギーは従来の経腸管感作の食物アレルギーと異なり,加熱の影響を受けやすく,原因食品であっても調理すれば食べられる。また消化酵素に弱いため,胃液によりアレルゲンが失活し全身症状をきたしにくい。このようなアレルゲンの代表としてBet v 1類似蛋白とプロフィリンがある。